悪性腫瘍を合併した鼻・副鼻腔乳頭腫症例の臨床的検討
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概要
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1995 年− 2011 年に鼻・副鼻腔乳頭腫もしくは乳頭腫発生の鼻副鼻腔癌の診断で治療を行った 57 例を対象として癌合併症例と癌非合併症例の臨床的特徴を比較することで治療前に癌合併を予測する因子がないか解析を行った。さらに癌合併が疑われた、あるいは判明した場合の治療方針について検討を行った。内訳は男性 38 例(67%)、女性 19 例(33%)で年齢は 7− 94 歳(平均 57.8歳)であった。鼻・副鼻腔乳頭腫症例 57 例のうち、10 例 (18%)に癌合併を認めた。女性、50 歳以上に癌合併の頻度が高く、疼痛、鼻出 血は癌合併を疑う症状と考えられた。Krouse 分類 T4 の鼻・副鼻腔乳頭腫に関しては、癌合併の頻度が高く、乳頭腫であったとしてもいったん悪性転化を来した場合、極めて予後不良であるため、初回から悪性腫瘍に準じた治療を行う必要があると考えられた。
- 耳鼻と臨床会の論文
著者
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藤 賢史
九州大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科
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安松 隆治
九州大学大学院医学研究院
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中島 寅彦
九州大学大学院医学研究院
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澤津橋 基広
九州大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科学教室
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中島 寅彦
九州大学大学院医学研究院臨床医学外科学講座耳鼻咽喉科分野
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佐藤 方宜
九州大学大学院医学研究院臨床医学外科学講座耳鼻咽喉科分野
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