鼻内内視鏡による若年性血管線維腫の治療
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概要
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若年性血管線維腫は,ほぼ若年男性に発症するまれな良性の血管性腫瘍である。これに対する内視鏡下切除術は,皮切を伴う手術に比較して出血量や合併症は少なく,入院期間も短い。しかし,側頭下窩や海綿静脈洞への過度の浸潤がある場合には外切開アプローチの適応である。術前の選択的血管塞栓療法は有用である。しかし,内頸動脈系の栄養血管の塞栓は困難であり,その対処には2人の術者による3手あるいは4手操作が有用である。中鼻甲介下部の切除により,その後方に存在する翼突管や蝶口蓋孔付近の操作が容易になる。腫瘍の翼突管方向への進展を術前に確認し,その部位の取り残しがないようにすることが必要である。
- 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会の論文