皮下腫瘍を疑った上腕二頭筋長頭腱断裂の1例
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概要
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76歳,男性。多発性モルフェアの既往あり。数ヶ月前に右上腕屈側の膨隆に気づき,徐々に目立ってきたため平成22年6月当科を受診した。肘関節屈曲時膨隆はより明らかとなり,伸展時に目立たなくなる。脂肪腫,深在性モルフェア,筋ヘルニアなどを疑い MRI を撮像したところ,膨隆部は筋組織と等信号であり,特徴的な臨床像とあわせて上腕二頭筋長頭腱断裂と診断した。疼痛や機能障害がないため保存的に経過観察とした。上腕二頭筋長頭腱断裂は,退行性変性を基盤として外的刺激が加わった際に生じる疾患で,主として整形外科で扱われるが,自験例のように皮下腫瘍を疑われ皮膚科を受診する場合もあり,皮膚科医も認知しておくべき疾患と思われる。(皮膚の科学,13: 180-184, 2014)
- 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会の論文
著者
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調 裕次
NTT 西日本大阪病院皮膚科
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竹内 英二
NTT 西日本大阪病院整形外科
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日野上 はるな
NTT 西日本大阪病院皮膚科
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外村 香子
NTT 西日本大阪病院皮膚科
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坂井 浩志
NTT 西日本大阪病院皮膚科