富山県で起こった食中毒事件での輸血療法の検討
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概要
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平成23年4月富山県内にある同一系列の焼肉店3店で腸管出血性大腸菌O111およびO157による食中毒が発生し,HUSを合併した例では,輸血用血液製剤が大量に使用された経緯がある.これらの使用量およびその効果,また他県の血液センターの協力体制について検討したので報告する.富山県内の合同輸血療法委員の所属する7施設における入院患者36名,外来患者15名を対象とし,各施設に調査票を送付し,その結果に基づいて検討を行った.血液型が確定された入院患者31名の内訳は,O型12名,B型9名,A型7名AB型3名であった.輸血用血液製剤を使用したのは5施設で,FFPが1,548単位,PCは320単位,RCCは115単位とFFPの使用が最も多かった.FFPは主に早期の段階での血漿交換に使用されていた.血小板輸血は観血的手技前あるいは重篤な出血症状に対して施行されていた.血液製剤の供給に関しては,富山県内医師間のメーリングリストによる情報共有により,不足時には石川県血液センターの需給調整により,さらには基幹センターである愛知県血液センターからの迅速な供給体制により輸血治療は遅滞なく施行できた.
著者
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彼谷 裕康
富山県合同輸血療法委員会
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又野 禎也
富山県合同輸血療法委員会
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村上 純
富山県合同輸血療法委員会
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安村 敏
富山県合同輸血療法委員会
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黒川 敏郎
富山県合同輸血療法委員会
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山内 博正
富山県合同輸血療法委員会
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塩原 康司
富山県合同輸血療法委員会
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吉田 喬
富山県合同輸血療法委員会