多発性冠動脈内血栓症を併発しエクリズマブが著効した発作性夜間ヘモグロビン尿症
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概要
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発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に冠動脈血栓を伴うことは本邦では稀である。今回我々は,冠動脈血栓による心筋梗塞を発症したPNHに対して,エクリズマブが著効した症例を経験したため報告する。症例は56歳の男性。2011年5月に再生不良性貧血(AA)重症型と診断し,シクロスポリンと抗胸腺細胞グロブリン,酢酸メテノロンで治療を開始して血球回復傾向を示した。2012年10月に末梢血検査でPNH型赤血球を42.2%認めAA-PNH症候群と診断した。2013年8月,安静時に前胸部痛が出現し心臓カテーテル検査を施行した。右冠動脈内に多発血栓を認め,急性心筋梗塞として内科的に抗凝固療法を開始したが,以後も胸痛症状や心電図異常が頻回にみられた。冠動脈血栓は徐々に増加し新たな閉塞箇所も出現したため,エクリズマブを導入したところ速やかに多発血栓の消失が得られ,以後は再発なく経過している。
著者
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横山 彰仁
高知大学 血液・呼吸器内科
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池添 隆之
高知大学 血液・呼吸器内科
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砥谷 和人
高知大学 血液・呼吸器内科
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北岡 裕章
高知大学 老年病・循環器・神経内科
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谷岡 克敏
高知大学 老年病・循環器・神経内科
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谷口 亜裕子
高知大学 血液・呼吸器内科
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竹内 麻子
高知大学 血液・呼吸器内科
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吉本 光広
高知大学 老年病・循環器・神経内科