仙台市 T 地区高齢者の健康づくりのためのインタビュー調査
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概要
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目的 高齢化の問題が集約されている仙台市 T 地区の高齢者の健康づくり事業計画を立案する上で地区診断を行った。平成11年度は,これまでの事業を踏まえて統計的な既存の資料や調査を分析し,「人間関係の構築と交流の場づくり」を重要な課題として抽出した。平成12年度は,この課題が住民のニーズと一致しているか確認した上で,住民のニーズを「高齢者の生活の質を向上させる」ための事業に反映させることを目的にインタビュー調査を行った。<br/>方法 エスノグラフィー(民族誌学的方法)に準じた手続きにより,高齢者の実情を把握している主要な情報提供者22人と,仙台市 T 地区居住の一般の情報提供者 6 人を対象者として,インタビュー調査を行った。分析方法は,作業部会を設置して,グループ KJ 法を用いた。<br/>結果 主要な情報提供者のインタビューから,「地域の交流の場は重要」「サービスづくりと周知の工夫」「住民,民間,行政の相互理解と連携が必要(ネットワークづくり)」の 3 つのカテゴリーにまとめた。一般の情報提供者のインタビューからは,「高齢者にとって交流が必要」「積極的な高齢者の様子とそのとらえ方」という 2 つのカテゴリーに整理された。<br/> 当センターが住民にとって最優先の課題と考えていた「人間関係の構築と交流の場づくり」について,インタビュー調査の結果から住民側においても必要かつ重要であることを確認出来た。さらに,「サービスに関する周知」や「住民や民間,行政との連携(ネットワークづくり)」の必要性についても確認することができた。<br/>結語 このインタビュー調査の結果を住民に説明した上で,住民参加の下に T 地区の健康づくりについて検討した。その後平成13年度仙台市 T 地区高齢者健康づくり支援事業計画を立案し,「高齢者のための情報誌作成」や「高齢者のためのサポーター養成講座」などを事業化することができた。
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