GERD患者における粘膜内炎症と逆流症状―侵害受容器と神経ペプチドの関与―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
胃食道逆流症(GERD)患者における胸焼け症状の発現には,食道粘膜の知覚過敏の関与が指摘されている。食道粘膜内に増加するIL-8などのサイトカイン量と胸焼け症状の強さは相関しない。一方,一部のGERDやNERD患者の食道粘膜内では逆流する酸やトリプシンに対する受容体であるtransient receptor potential vanilloid-1(TRPV1),protease-activated receptor(PAR2)の増加がみられるとともに,胸焼け症状の強さと相関するサブスタンスPなどの神経ペプチドの増加も観察される。これら神経ペプチドは血液中でも増加し,一部の症例ではPPI投与により低下する。食道知覚過敏の一因に,このような末梢レベルでの侵害受容器・神経ペプチドの動態が重要な役割を果たしていると考えられ,今後の創薬ターゲットとしても注目される。
- 消化器心身医学研究会の論文
著者
関連論文
- メシル酸イマチニブによる neoadjuvant therapy にて肛門温存縮小手術が可能であった直腸原発GISTの1例
- 慢性腎不全に Diffuse Antral Vascular Ectasia と早期胃癌を合併した1例
- MRSA小腸・大腸炎の1例
- GERD患者における粘膜内炎症と逆流症状―侵害受容器と神経ペプチドの関与―