小児の心肺運動負荷試験とOxygen uptake efficiency slope:その基礎と小児領域での臨床応用
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概要
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心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise testing:CPET)は運動負荷中の呼吸,代謝などの反応を測定する検査である.CPETで得られる測定値のうち,最も重要なのは最大酸素摂取量(VO2max)である.これは心臓のポンプ機能,呼吸機能,骨格筋の機能などの総合的な予備能の指標である.嫌気性代謝閾値(AT)は骨格筋虚血による乳酸産生が生じる最低運動強度として定義づけられるが「きつすぎず,弱すぎない適度な運動強度」を代表しているために臨床で頻用されている.漸増運動中の換気量と二酸化炭素呼出量の直線関係の傾き(VE/VCO2 slope)は心不全患者の予後判定因子として重要である.また,漸増運動中の酸素摂取量(VO2)と分時換気量(VE)の対数曲線関係の傾き(酸素摂取効率勾配:OUES)はVO2maxとの間に強い相関を示し,亜最大負荷でも正確に算出できる.これは先天性心疾患を含むさまざまな心疾患患者の予後判定因子であり,現在さまざまなガイドラインや数多くの教科書に独立した項目として取り上げられている.
- Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgeryの論文
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