小児精巣微小石灰化症の発生頻度とその臨床的検討
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概要
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【目的】精巣微小石灰化症(testicular microlithiasis;以下TM)は精細管内に特徴的な石灰化を認める比較的稀な病態である.成人では不妊症や腫瘍発生との関連が指摘されているが,小児におけるTM の頻度,臨床的特徴についての報告はほとんどない.そこで今回,我々は超音波検査にて発見されたTM についてその頻度と臨床像について検討し,その臨床的意義を考察した.【方法】2012 年に香川大学附属病院小児外科外来で,停留精巣,鼠径ヘルニア,陰囊水腫,移動性精巣,精索水腫,萎縮精巣,精巣上体炎,精巣腫瘍の診断にて精巣超音波検査を施行した212 例(平均年齢3.0±2.9 歳(0~16))を対象とした.精巣超音波検査1 画像断面に5 個以上の石灰化を精巣内に認めた場合をTM と定義し,TM 症例発生頻度を調査した.さらにこのTM 症例について臨床記録をもとに,臨床像を後方視的に検討した.【結果】全対象例212 例中5 例(2.4%)にTM を認めた.TM は停留精巣(3 例〔固定術後2 例,無治療1 例〕/91 例),萎縮精巣摘出後の対側(1 例/3 例),精巣上体炎(1 例/1 例)に認めた.鼠径ヘルニア,陰囊・精索水腫,移動性精巣,精巣腫瘍摘出後の対側にはTM は認めなかった.TM を認めた5 症例の平均年齢は10.0±3.4 歳(8~16)であり,基礎疾患にネフローゼ症候群,ダウン症・急性白血病,重症心身障害がみられた.【結論】小児TM 症例は何らかの精巣機能低下のサインの可能性が高く,不妊症や腫瘍発生のリスク要因である可能性もあるため,定期的・長期的な注意深いフォローが必要である.
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