脳動脈瘤の形成・増大・破裂における血行力学的因子の役割について:—計算流体力学 (CFD) 解析と動物モデルによる実験を相補的に用いた検討—
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概要
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脳動脈瘤の破裂予測は統計的に判明している因子だけでは正確に判断できないのが現状であり, 新たな危険因子の解明が必要である. 著者らは血行力学的因子に注目し, 実験的脳動脈瘤誘発動物モデルおよび計算流体力学 (CFD) 解析を用いて瘤の形成・増大・破裂関連因子について検討を行っている. CFD解析では個々の症例の生理学的条件を入力することで動物実験結果に合致して瘤発生部位に高い壁ずり応力の分布を認め, 破裂・増大関連因子の検討を目的に多施設前向き研究を開始した. 動物実験では血管内皮ずり応力感知を阻害することで動脈瘤誘発が抑制され, 血管内皮が高ずり応力を感知することが瘤形成のイニシエーションとなっている可能性が示唆された.