そばアレルギー症の1例―そば粉抗原の精製と多抗原感作に関する検討―
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概要
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そば粉の摂食により蕁麻疹および喘息発作を生じ,接触塗布にても接触部位に蕁麻疹をつくることができる.そばアレルギー症の14歳男性例を経験した.本症例では,そば粉以外の殻類種子,花粉などに対する特異的IgE抗体も陰性であった.そば粉を,Sephadex column chromatographyとHigh performance liquid chromatography(HPLC)にて分離,推定分子量14,000~20,000付近の主要抗原の存在を証明した.次にその主要抗原と,本症例において特異的IgE抗体陽性を示した殻類種子および花粉との共通抗原性を,IgE-RAST inhibition testにより検討した.その結果,そば粉major allergenは,そば粉以外の殻類種子抗原中にも少量存在するが,殻類花粉抗原中には存在しないことが示唆された.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
著者
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安田 和正
東京女子医科大学第二病院皮膚科
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平野 京子
東京女子医科大学第二病院皮膚科
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平野 京子
東京女子医科大学附属第二病院皮膚科
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額田 純子
東京女子医科大学附属第二病院皮膚科
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皆川 陽美
東京女子医科大学附属第二病院皮膚科
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茂野 淑
東京女子医科大学附属第二病院皮膚科
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