栄養障害性表皮水疱症における水疱内グリコサミノグリカン
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概要
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栄養障害性表皮水疱症は,瘢痕をのこして治癒するのを特徴とする.これまでになされた研究は本症にあっては結合織に異常のあることを示唆している.そこでこの結合織異常を解明する1つの手掛かりを得るため,水疱内容液のGAGについて検索した.その結果,優性型栄養障害性表皮水疱症では,対照とした熱傷や水疱性類天疱瘡に比較して総GAG量が約1.9倍で,⊿Di-OSHや⊿Di-OSsが大部分を占めた.劣性型栄養障害性表皮水疱症では,総GAG量は熱傷などの3.2倍と高く,大部分が⊿Di-6Sであった.これらのことは,栄養障害性表皮水疱症における結合織異常にはGAGの異常が関与すること,そしてそれは優性型と劣性型の間で異なることを示唆するものと考えられた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文