Colloid Miliumの2例 -Colloidの電顕的観察およびアミノ酸組成の分析-
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概要
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colloid milium (adult type) の2症例を報告し,colloid 物質とその周囲にみられる solar elastosis 部位を光頭的および電顕的に通常の電子染色とともにタンニン酸染色にて観察し, colloid 物質のアミノ酸組成分析を試みた.光顕にて colloid 塊の辺縁の一部分には線維状で HE 染色で好塩基性,弾力線維染色陽性所見が認められた.電顕ではcolloid 物質の多くはタソニン酸に染色されないが, colloid 島状塊の辺縁には elastotic material と同様にタソニン酸に濃染される部分もみられ,タンニン酸に染まる微細線維様構造を含む colloid 塊もみられた. elastotic material には膠原線維の変性像が試められた. colloid 物質のアミノ酸分析では従来の報告に反し,2症例とも hydroxyprolineが 1% 内外検出された. colloid 物質および elastotic material の由来について文献的に考察し,日光に他の因子が関与して elastotic material から colloid 物質が形成される可能性を考えた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
著者
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志賀 暁子
名古屋保健衛生大学医学部皮膚科学教室
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田中 隆義
名鉄病院皮膚科
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伊藤 まゆみ
現勤務先:名古屋大学医学部皮膚科学教室
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矢崎 喜朔
名古屋保健衛生大学医学部皮膚科学教室
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安間 みどり
名鉄病院皮膚科