尋常性白斑における臨床的並びに神経組織学的電顕的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
尋常性白斑患者の白斑病巣部,白斑附近の健常部皮膚に機械的刺激を加えて惹起される色調異常を汎発例,限局例その他について検討し,脱色化は両者共に認めたが特に汎発例で顕著であった.病巣白斑部,掻把後の白斑化皮膚について鈴木氏鍍銀法を用いて光頭的,電顕的に真皮内神経組織の異常について観察し,掻把による白斑部では,その変化が主に真皮上層に限局しており,電顕的にみられる銀粒子の沈着は変性した axon では不定である外, Schwann 細胞基底膜, Schwann 細胞内のmelanosomecomplex などに特異的沈着を認め,その局在は,neurofilament と推定した.その他特異所見として表皮基底膜を貫通する神経要素や, Langerhans 細胞の分裂像,表皮からの滴落像を見た.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文