アトピー性皮膚炎のアザチオプリン治療例,とくにlgE値および免疫テストの変動
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概要
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典型的アトピー性皮膚炎脆者の1例にアザチオプリン治療による免疫抑制療法を行い,良好な結果を得た.治療前,治療後に施行した免疫学的検査において, IgE 値の減少, DNCB 接触皮膚炎反応の不変ないし宜進傾向および Widal 反応抗体の減少を認めた.これらの結果から,アザチオプリンが主として lgE 産生 B 細胞系の活性を抑制したのではないかと推論した.またアザチオプリン治療において,白血球数が5,000以下にならないと治療の効果が認められなかった. アトピー性皮膚炎の本態は, (1)レアギンによる即時型アレルギーであるか1),(2)遅延型アレルギーによるものか2),(3)皮膚生理の特殊な遺伝的素因に基く疾患3)4)であるか,まだ結論がでていない.(1)(2)の観点に立てば,免疫抑制剤による治療法が考えられてもよいはずである.我々は定型的アトピー性皮膚炎患者の1例にアザチオプリン(以下 AZ と略する)による免疫抑制療法を行い良好な結果を得た.この事は逆にアトピー性皮膚炎の少なくとも一部の症例の発症に免疫学的機構が関与している事を示唆するものであろう.ここに免疫学的検査所見と併せて報告す
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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