尋常性白斑の色素再生部位における表皮樹枝状細胞の微細構造に関する研究 -電子顕微鏡的dopa反応によるmelanocyteの観察-
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概要
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色素再生の現れている A 型尋常性白斑患者5例を生検し,表皮内 dendritic cell の微細構造および dopa 反応を電子顕微鏡に七観察した. 白斑部表皮基底細胞層に存在する indeterminate dendriticcell の一部は inactive melanocyte であり,再び active melancyte となって melanin 産生をはじめるものと考えられる.病巣の境界部付近の皮膚 melanocyte は非常に活発に melanin を産生している. melanocyte 内で dopa 反応陽性を呈する小器官は Golgi cjsterna の一部,多くの Golgi vesicle,premelanosomeである. premelanosome が Golgi cistema にほぼ接してみられ,さらに premelanosome から dopa 反応陽性の細長い管状物が premelanosome に連続して認められた. premelanosome は Golgi 野の smooth endoplasmic reticulum の一部から生成されてくるものと推測される. premelanosome はその前駆物である中間過程の空胞の時期に既に tyrosinase を有している可能性,もあるが, tyrosinase を含有している Golgi vesicle が酵素を premelanosome にりけ渡していると考えられる所見を得た. premelanosome と tyrosinase を持つ Golgi vesicle は Golgi 野においても異なった領域から生成されてくるものと考えられる.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文