神経線維腫症1の遺伝子解析
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概要
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10名のNeurofibromatosis 1(NF1)患者の末梢血白血球分画より抽出したconstitutional DNAを被験対象としてNF1遺伝子変異の解析を行った.NF1遺伝子には現在59のエクソンが確認されているが,今回我々はそのうちエクソン40から49までの11エクソンについて,13の領域を増幅するNF1エクソン特異的プライマーを設定しpolymerase chain reaction(PCR)法を行い,さらに21M13,M13RP1ユニバーサルプライマーを用いて,size-shift assay,single strand conformation polymorphism(SSCP)法,magnetic beadsを利用したdirect sequence法で遺伝子変異の解析を行った.結果は1症例で,エクソン44においてNF1 disease causingと思われるNF1遺伝子の変異を確認した.この変異はcDNAポジション7712から7720までの9bpの欠失と,あわせて同部位に2bpが挿入された結果,7bpのフレームシフトを起こしコードする蛋白が異なり,32コドン下流でストップコドンの出現をみている.また我々は,イントロン40においてポリモルフィズムを検出した.今回の結果より,我々が確立したこの実験系が,NF1遺伝子変異の解析について有用であることが証明された.また21M13,M13RP1ユニバーサルプライマーならびにmagnetic beadsを利用したこの実験系はNF1遺伝子変異の解析のみならず,他の遺伝性疾患のDNA診断,感染症のDNA診断等にも有力な実験系であると考え報告した.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
著者
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澤田 俊一
東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
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David H.
Division of Medical Genetics, Department of Pediatrics University of Utah
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