syringomaおよびclear cell syringomaにおけるケラチン発現の免疫組織化学的検討
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概要
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7例のsyringomaと5例のclear cell syringomaに19種類の抗ケラチンモノクローナル抗体と抗インボルクリン,抗EMA抗体を用いてABC法により免疫組織化学染色を行った.syringomaは正常汗管と同様の染色パターンを示した.さらに汗管のうちでも表皮内汗管と表皮直下の真皮内汗管のみを染色する34βB4抗体に染色され,また真皮内汗管のみを染色するRCK102抗体によりsyringomaは陽性に染色された.このことからsyringomaは表皮直下の真皮内汗管に分化しているものと推測された.clear cell syringomaは通常のsyringomaと同様の像とclear cellからなる腫瘍巣とが混在しているが,通常のsyringomaの像の部分はsyringomaと同様すなわち表皮直下の真皮内汗管と同様の染色パターンを示した.clear cellからなる胞巣は大部分の抗体でsyringomaと染色性が一致していた.つまり表皮直下の真皮内汗管への分化が考えられた.さらに表皮直下の真皮内汗管でも管腔細胞と最外層の細胞を除いた中間層を染色する34βB4抗体によりclear cellは染色された.以上より表皮直下の真皮内汗管の中間層の細胞が腫瘍性に増殖し,clear cellとなったものと推測された.以上のようにclear cell syringomaは抗ケラチン抗体による染色パターンからは通常のsyringomaとは差が認められず,clear cell syringomaはsyringomaの一亜型であることが確認された.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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