アトピー性皮膚炎における黄色ブドウ球菌―皮疹部,無疹部における黄ブ菌検出率,ファージ型および薬剤感受性について―
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概要
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アトピー性皮膚炎(AD)48例全例から黄色ブドウ球菌(黄ブ菌)が検出され,皮膚性状別検出率は無疹部:40.7%,紅斑部:88.4%,苔癬化部:90.9%,糜爛部:90.1%,感染部:100%であった.黄ブ菌ファージ型別検出率は皮疹部総合では混合群(28.4%),Ⅲ群(16.4%)の順に高く,一般の湿疹皮膚炎群と同様であったが感染部でもⅢ群(28.6%)が最も多く,一般の皮膚感染症との相違を示した.またⅢ群の薬剤感受性は他のファージ型に比べ劣る傾向がみられた.AD表皮に多くの黄ブ菌が棲息していること,感染部を含めファージⅢ群が主体を成すことは本症における特徴的所見と思われる.また以上は合併感染症のみならず黄ブ菌キャリア―としての観点からもADの管理上注意を要する点であると思われる.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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