フローサイトメトリーによるlymphocytoma cutisとmalignant lymphomaの核DNA量の検討
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概要
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lymphocytoma cutis(LC)は時にmalignant lymphoma(ML)を疑わせる組織像をとることもあり,実地上,MLとの鑑別が困難なことも少なくない.今回我々はパラフィン包埋組織を用いてLCとMLについてDNA-flow cytometry(DNA-FCM)による核DNA量の検討を行った.11例のLCの増殖指数(%>4SD)は1例が33.6%である以外はすべて20%以下(平均14.4%)であった.増殖指数が高値を示した1例は組織学的にもMLが疑われた症例であった.それに対し9例の皮膚悪性リンパ腫(ML)は1例を除いてすべて20%以上(平均41.6%)であった.初発時20%以下であった1例も再発時には22.2%を示した.DNA aneuploidyもMLの4例に認められた.これらの結果からDNA-FCMによる検討はLCとMLの鑑別の一助になりうると考えられた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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