円形脱毛症の病態に関する研究 (5)末梢血HLA-DR+T細胞およびNK細胞サブセットの病的意義について
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概要
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円形脱毛症患者末梢血中におけるHLA-DR+T細胞とnatural killer(NK)細胞サブセット占有率を種々の病型・病勢において検討した.自然治癒傾向の強い通常型の軽症例や全頭型(急性全頭脱毛症)では,これら占有率に異常を認めなかった.一方,自然治癒が困難であることが多い通常型の重症例や汎発型では,正常人に比較してHLA-DR+T細胞・NK細胞サブセット占有率の有意な増加を認めた.これら通常型の重症例や汎発型で認められた占有率の異常は,副腎皮質ホルモン療法による症状の改善に伴い減少傾向を示した.以上の所見は,これら難治性といえる通常型の重症例や汎発型の病像形成にHLA-DR+T細胞とNK細胞の関与する免疫異常が存在することを示唆するものと思われた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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