頚動脈狭窄症例における体外循環使用下開心術とCAS 施行の検討
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概要
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【目的】脳主幹動脈狭窄症例に体外循環使用下の開心術を行う際には脳灌流圧低下による血行力学的虚血の発症が懸念されるが,頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting; CAS)による術前介入の適応や虚血予防効果については確立した知見がない.当施設で体外循環下開心術を施行した内頚動脈(internal carotid artery; ICA)狭窄症例における術後脳血管合併症の実態を示し,参考となる経験を供する.【方法】当院心臓血管外科における体外循環下開心術施行症例中,術前に50%以上のICA 狭窄を認めた11 例を対象とし,開心術前にCAS を施行した1 例を含めた全例の詳細な術前評価所見と術後合併症の有無について検討した.【結果】開心術前に左ICA 78%狭窄に対するCAS 施行により24%に改善した1 例とICA 50~90%狭窄のまま開心術を施行した8 例では術後の合併症はみられなかった.塞栓性梗塞が出現した1 例は狭窄部と無関係の領域であり,狭窄に関連する開心術後の合併症が出現したものは左ICA 68%狭窄で術後に左分水嶺梗塞が出現した1 例のみであった.【結論】頚動脈狭窄症を有する症例に開心術を行う際の適応決定は径狭窄率に基づくガイドラインの適用のみでなく脳循環予備能などを含めた総合的な判断を個々の症例に対して行うべきである.
- 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会の論文
著者
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三角 隆彦
同心臓血管センター心臓血管外科
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各務 宏
済生会横浜市東部病院脳神経センター脳血管内治療科
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小倉 直子
同脳神経センター脳血管内科
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中野 雅嗣
同心臓血管センター循環器内科
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丸山 路之
同脳神経センター脳血管内科
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笠井 陽介
同脳神経センター脳血管内科
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伊藤 努
同心臓血管センター心臓血管外科