神経性無食欲症患者の基礎代謝量の実態把握と栄養管理への活用
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概要
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本研究の目的は、神経性無食欲症(AN)患者の実測した基礎代謝量(BEE)とHarris-Benedict の式(HBE)により算出したBEE および日本人の食事摂取基準2010(DRI)に示されている基礎代謝基準値により算出したBEE とを比較検討することである。AN患者23人[制限型(ANr)13人、むちゃ食い/排出型(ANbp)10人、性別男性3人、女性20人、年齢18~57歳]を本研究の対象とした。ANr症例では、BEE が300 kcal/day から1,000 kcal/dayと広い範囲であるのに対し、ANbp症例では600 kcal/dayから1,000 kcal/dayの範囲であった。 ANr症例では、チェスタックによる実測BEEと比べて、HBEにより算出したBEEでは、有意に高値を示した(P<0.025)。しかし、DRIから算出したBEEとの間には統計学的に有意な差は見られなかった。ANbp症例では、チェスタックによる実測BEEと比べて、HBEにより算出したBEEは有意に高値(P<0.025)を示したのに対し、DRIから算出したBEEでは統計学的に有意な差は見られなかった。これらの結果から、チェスタックによるBEEの実測が不可能なAN症例のBEEの推定にDRIにより算出したBEE値が利用できると考えられた。
著者
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石川 俊男
(独)国立国際医療研究センター国府台病院臨床栄養管理部
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近藤 純子
(独)国立国際医療研究センター国府台病院臨床栄養管理部
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生和 良の
(独)国立国際医療研究センター国府台病院臨床栄養管理部
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鈴木 知子
(独)国立国際医療研究センター国府台病院臨床栄養管理部
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河野 公子
(独)国立国際医療研究センター国府台病院臨床栄養管理部
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長洲 祐子
(独)国立国際医療研究センター国府台病院臨床栄養管理部
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浦川 由紀子
(独)国立国際医療研究センター国府台病院看護部
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當銘 良也
(独)国立国際医療研究センター国府台病院中央検査部
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本間 洋州
(独)国立国際医療研究センター国府台病院心療内科
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栁内 秀勝
(独)国立国際医療研究センター国府台病院内科