診断に苦慮した顎下腺 IgG4関連疾患の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は 50 歳、男性。慢性咳嗽とリンパ節腫脹が出現したため、内服加療を受けていた。 改善を認めなかったため、1 カ月後に紹介となった。血清 sIL-2R が 864 U/mℓ と高値であったため、悪性リンパ腫を疑って、リンパ節生検を施行した。病理診断はリンパ節炎であった。以後、外来で抗生剤投与を行ったが、改善を認めなかった。血液検査を追加、施行したところ IgG4 が 1,100 mg/dℓ と亢進していた。IgG4 関連疾患を疑い、再度全身麻酔下に顎下腺摘出術とリンパ節摘出術を施行した。免疫染色を行い IgG4 陽性形質細胞の組織への浸潤を認め、確定診断に至った。プレドニン30mg/day より開始し、2 週間で10 %の漸減療法を行った。顎下腺、リンパ節は縮小し、呼吸器症状も落ち着いた。IgG4 も 300 台まで低下を認めたが、完全寛解には至っておらず、プレドニン 20mg/day で維持している。
- 耳鼻と臨床会の論文
著者
-
末田 尚之
福岡大学医学部耳鼻咽喉科学教室
-
菅村 真由美
福岡大学医学部耳鼻咽喉科
-
中川 尚志
福岡大学医学部耳鼻咽喉科
-
上野 哲子
福岡大学医学部耳鼻咽喉科
-
小泉 優
福岡大学医学部耳鼻咽喉科学教室
-
宮城 司道
福岡大学医学部耳鼻咽喉科学教室
-
岩崎 宏
福岡大学医学部 病理
-
山田 梢
福岡大学医学部病理学教室
関連論文
- 甲状腺原発B細胞リンパ腫におけるチロシンリン酸化酵素SHP1遺伝子のメチル化と蛋白発現消失の検討
- 小児顔面神経麻痺症例の検討
- 一過性の前庭障害で発症した聴神経腫瘍の1症例
- 突発性難聴の予後因子の検討 : 第3報
- ハイリスクファクター児におけるABRの検討
- 当科における急性低音障害型感音難聴の検討
- 当科における外耳道腫瘍の検討
- 外耳道圧負荷検査による耳閉塞感の評価 : 小児滲出性中耳炎症例での検討
- 側頭骨に発生した骨巨細胞腫の一症例
- 耳鳴の擬声語表現における音響的特徴と類似性 : 数量化理論3類による解析
- 問診表F-スケールを用いた咽喉頭異常感の検討
- IgA腎症に対する扁桃摘出術の予後を左右する因子
- 突発性難聴における耳鳴・耳閉塞感の動向とオージオグラム
- 酢酸の内耳毒性と制菌効果についての実験的研究
- 当院における補聴器の満足度に及ぼす要因の解析
- 当院における補聴器の使用頻度に及ぼす要因の検討
- 無難聴性耳鳴症例における高周波数領域の聴力像と耳鳴ピッチ
- ABR無反応に関わらず幼児聴力検査で閾値が得られた内耳形態異常と内耳道狭窄の二症例
- 瞬目反射を用いた顔面神経麻痺の予後診断
- Residual Inhibition(RI)テストにおける耳鳴消失時間に影響を及ぼす因子
- 耳鳴の擬声語表現に影響を及ぼす要因について : 数量化理論による解析
- Residual Inhibition(RI)テストに影響を及ぼす因子について
- 耳鳴の原因疾患と聴力型が耳鳴の大きさに及ぼす影響
- 耳鳴の高低感と清濁感の評価 - 数量化理論による解析 -
- 耳鳴の気になり方におよぼす要因-数量化理論による解析-
- 耳鳴の大きさにおよぼす因子 : ロジスティックモデルによる解析
- 耳鳴の主訴と罹病期間が気になり方におよぼす影響
- 乳児のハイリスクファクターとABR
- 耳下腺に発生し頭蓋内転移を来たした oncocytic carcinoma の1例
- 落雷により生じた顔面神経麻痺の一例
- 点耳薬剤投与による中耳及び内耳の病理変化について
- 手術加療を行った側頭骨放射線壊死の2症例
- 真珠腫に類似した第1、第2鰓弓症候群
- 腺様嚢胞癌との鑑別を要した耳下腺基底細胞腺腫の1例
- 当院における小児 Bell 麻痺の検討
- 新規GATA3の変異を認めたHDR症候群の父子例
- 慢性中耳炎より悪性外耳道炎を発症し、 Gradenigo 症候群と多発脳神経症状を呈した一症例
- 前立腺生検における異型腺管(atypical glands)の免疫組織化学的検討
- 65. 原発性肺髄膜腫の1切除例(第45回 日本肺癌学会九州支部会, 支部活動)
- PS-154-2 野口Type Cに対する細分類の試み : Micropapillary component(MPP)での評価
- 軟部腫瘍の病態 : 日常の診断から実験的探索へ
- O-52 Large focal tumor-like demyelinating lesion of the brainの1例(頭頸部2,一般演題・口演,第47回日本臨床細胞学会総会(春期大会))
- 縦隔リンパ節転移をきたした肺原発 Malignant inflammatory myofibroblastic tumor の一治験例(29 症例・稀な肺腫瘍1, 第46回 日本肺癌学会総会)
- 剖検例における潜伏性前立腺癌と管内異型過形成の病理学的検討
- IgA腎炎のIgA subclassと補体活性化の関係
- 卵巣原発粘液性カルチノイドの1剖検例
- 末梢神経鞘腫瘍の comparative genomic hybridization (CGH) による検索
- 手根管症候群をきたしたBenign mesenchymoma の 1例
- 43.食道小細胞癌の1切除例(第6群 消化器, 示説, 第22回日本臨床細胞学会秋期大会)
- 食道原発小細胞癌における臨床病理学的検討
- 腎臓原発 primitive neuroectodermal tumor (PNET) の1例
- 21-P2-318 がん性疼痛に対する徐放性硫酸モルヒネ製剤2剤の比較検討(がん薬物療法(緩和ケア),来るべき時代への道を拓く)
- 耳下腺に発生した oncocytic carcinoma の1例
- 新しい耳鳴り治療Tinnitus Retraining Therapy(TRT)を試みて
- ATPアナログの外リンパ灌流が蝸牛電位に及ぼす影響
- 耳鳴の大きさに影響を及ぼす要因について : 数量化理論による解析
- 木村病と鑑別を要した Pseudolymphoma の1例
- 頭頂部に生じた Trichoblastoma の1例
- 特異な組織像を呈した悪性線維性組織球腫の1例
- 症例報告慢性膿皮症を合併した低汗性外胚葉形成不全症の1例
- 憩室内尿管開口を伴う膀胱憩室内上皮内癌の1例
- 肝細胞癌治療5年後に出現した巨大な肝外発育型肉腫様変化を伴う肝細胞癌の1剖検例
- 腫瘤形成型CPPD沈着症5例の臨床病理学的検討
- 乳腺浸潤性小葉癌の細胞学的比較検討(乳腺2, 第46回日本臨床細胞学会総会(春期大会))
- 71 乳腺悪性リンパ腫との鑑別が困難であった症例の細胞学的検索(乳腺18)
- 局所再発を繰り返した Low Grade Sebaceous Carcinoma の1例
- 274 ファジイ推論を用いた悪性リンパ腫診断支援システム
- 282 胸膜悪性中皮腫10例の細胞診
- 骨巨細胞腫での増殖細胞における組織球および間葉系細胞マーカーの発現
- 小児顔面神経麻痺症例の検討
- 激烈な経過を辿った腎未分化肉腫の1例
- 巨大神経鞘腫の治療経験
- 前立腺に発生したMALTリンパ腫の1例
- 先天性高分化胎児型横紋筋肉腫の1例
- 318 肺末梢微小病変の術中細胞診における細胞像の検討
- 1. 腫瘍並びにその他各種疾患との関連に於ける,細胞背景の意義とその重要性 : 呼吸器(教育シンポジウム, 教育研究部会, 第24回日本臨床細胞学会秋季大会記事)
- 最近の人工内耳と関連機器
- 最近の人工内耳と関連機器
- 診断が遅れた先天性難聴の一症例
- 孤発性 Endolymphatic sac tumor の1例
- 鼻腔奇形癌肉腫の1例
- 院内各科と地域連携病院との嚥下カンファレンスの役割
- 咽喉頭異常感に対する問診表Fスケールの有用性の検討
- 進行大腸腺癌の主腫瘍および先進部におけるMK-1発現の検討
- Perilymphatic oozer が疑われたCTP陽性の耳性髄液漏症例
- 聴覚過敏の臨床的研究 : 急性低音障害型感音難聴での検討 第2報
- A Case Report of Reccurent Malignant Fibrous Histiocytoma of Left Thigh
- タイトル無し
- 小児特発性膜性腎症におけるIgGサブクラスと補体活性化経路の検討
- 中咽頭線維性脂肪腫が長期経過で悪性転化し,脂肪肉腫となった1例
- ブロー液作製後の経時的な内耳毒性と効力変化の検討
- 点耳薬剤の内耳毒性と MRSA に対する殺菌効果に対する実験的研究:− ブロー液、ポビドンヨード、強酸水の比較 −
- 急速に進行したSpindle cell carcinoma(Sarcomatoid carcinoma)の1例
- 聴覚過敏に対する不快閾値検査の有用性 : 急性低音障害型感音難聴での先行調査
- 診断に苦慮した顎下腺 IgG4関連疾患の1例
- 顎関節脱臼により気付かれた薬剤性ジスキネジアの1例
- 喉頭と頸部に同時発生した成人型横紋筋腫の 1 例