耕起した放射能汚染水田を除染するための濁水回収システムを組み込んだ水による土壌攪拌工法の開発
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概要
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耕起した放射能汚染水田土壌を除染するために,濁水回収システムを組み込んだ土壌攪拌工法を開発した.濁水回収システムは,トラクター後方に設置した3列ノズルと真空バキューマからなる.パイロットスケールで,代かき除染回数の除染効果への影響試験1(サクションホース長:50m)と30a圃場への適用性試験2(180m)を行った.試験1では,代かき2回目まで土壌の放射性Cs濃度は急激に低下したが,それ以後の濃度低下は低調であった.希釈効果を考慮した除染率は35~40%/9回代かきで,放射性Cs濃度の濃縮率は最大で2.6倍である.試験2の除染率は約15%/4回で,濃縮率は1.7倍である.試験2の低い除染率と濃縮率の原因は,サクションホース長が試験1より長いことによる吸引力の低下である.本システムを現地適用するには,ノズル先端で細粒土の回収率を更に高くするとともに,濁水回収量を増加させ,放射性Csの濃縮率を向上させる必要がある.
- 公益社団法人 農業農村工学会の論文
著者
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塩野 隆弘
農村工学研究所
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中 達雄
農村工学研究所
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吉本 周平
農村工学研究所地下水資源研究室
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石田 聡
農村工学研究所
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鎌田 雅美
DOWAエコシステム(株)ジオテック事業部
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友口 勝
Dowaエコシステム(株)
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今泉 眞之
農村工学研究所
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鎌田 雅美
DOWAエコシステム株式会社
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奥島 修二
農村工学研究所
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千田 善秋
DOWAエコシステム株式会社
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吉本 周平
農村工学研究所
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