地方と地域によるばらつきを考慮した港湾域における底生動物種数と関係する底質の推定
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概要
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全国の港湾域で行われた底生動物と底質の調査結果について,地方と海域がもたらすばらつきを考慮に入れたベイズ統計モデルを構築し,底生動物種数と底質の関係を解析した.解析の目的変数は,軟体動物,環形動物,節足動物,その他の動物の4つのグループの種数とし,説明変数は,それぞれの底質の相関関係を把握した後に,含水比,フッ素,水銀,カドミウム,ヒ素を選定した.この結果,すべての動物グループにおいて,種数は含水比と負の関係があることが示され,他方,環形動物においては,含水比が低い海域で種数が少なくなる海域があることも示された.これらより,港湾域の底生動物の種数は,含水比もしくは,それと相関が高いTOCやTONの影響を受けていたことが示唆される.また,環形動物の種数はフッ素と負の関係にあることが示された.