労働者における紙媒体のメンタルヘルス情報の入手経験とその関連要因の検討
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概要
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目的 日本全国を対象とした様々な事業所規模の労働者におけるメンタルヘルス情報のニーズについての現状,実際に紙媒体によりメンタルヘルス情報を入手した経験とその関連要因を明らかにすることを目的とした.方法 性・年齢別に均等に抽出された,週40時間以上働いている20歳から65歳の労働者1000名を対象に,インターネットによる横断調査を行った.メンタルヘルス情報ニーズの特徴を度数分布で示し,紙媒体のメンタルヘルス情報の入手経験について,ストレス症状,精神疾患の経験,基本属性,職業要因などの関連の検討を多重ロジスティック回帰分析により行った. 結果 最も多くの者が選択した希望情報入手先はWeb サイトであり(55.4%),紙媒体は8.2% であった.精神疾患の経験あり(オッズ比[OR] 6.1),事業所規模が大きい(OR 2.3 から2.8),女性(OR 1.5)や,正社員(OR 1.9),専門・事務や管理職(OR 2.5 から3.2)であること,インターネットによる情報取得をする(OR 1.6)といった条件に該当する者は,紙媒体のメンタルヘルス情報の入手経験も多かった. 考察 かつてメンタルヘルス不調の状態を経験した者は,紙媒体によるメンタルヘルス情報を実際に入手する可能性が高く,他にも事業所規模等の仕事要因や個人要因によりメンタルヘルスの紙媒体情報の入手経験が異なることが示された.
- 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所の論文
著者
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土屋 政雄
(独)労働安全衛生総合研究所
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倉林 るみい
(独)労働安全衛生総合研究所
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井澤 修平
(独)労働安全衛生総合研究所
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原谷 隆史
(独)労働安全衛生総合研究所
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倉林 るみい
(独)労働安全衛生総合研究所 有害性評価研究グループ
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