人工透析患者に肺炎治療後, 結核性リンパ節炎と肝結核腫を発症したと思われる1例
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概要
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症例は71歳の男性. 腎硬化症による慢性腎不全のため血液透析を施行中であった. 肺炎治癒後発熱・解熱が繰り返し, 頸部リンパ節腫脹を認めた. 喀痰検査では抗酸菌塗抹陰性・培養陰性・結核菌PCR陰性であった. 1か月後リンパ節開放生検を施行し, 結核菌PCR陽性であり, 組織学的に結核性肉芽腫が認められたため結核性リンパ節炎と診断した. 造影CTで1か月前に認めなかった総肝動脈周囲リンパ節の腫脹と肝臓に結節性病変を数個認めた. 6か月間の抗結核薬内服により治癒した. 発熱, 炎症反応高値などの症状を透析患者に認めた際, 一般細菌による肺炎が発症・治癒しても背景に結核が潜在している可能性を考慮しておくことが重要であると思われる.
- 一般社団法人 日本透析医学会の論文