持続携行式腹膜透析患者に発症した成人臍ヘルニア嵌頓の1例
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概要
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成人臍ヘルニアは比較的まれな疾患で,持続携行式腹膜透析(以下,CAPD)施行中に発症した報告例は少ない。今回,CAPD施行中に発症した成人臍ヘルニア嵌頓に対し,緊急手術を施行した1例を経験したので報告する。症例は40歳の女性。慢性腎不全にてCAPDを施行しており,CAPDカテーテルからの排液混濁を主訴に外来受診。CAPD関連腹膜炎が疑われて入院となった。翌日臍部に有痛性腫瘤が出現。臍ヘルニア嵌頓と診断し,緊急手術を施行した。ヘルニア囊内に嵌頓した小腸を認めたがヘルニア門を切開して嵌頓を解除した所,腸管の血流は速やかに改善した。腸管は切除せず腹腔内に還納し,ヘルニア門を単純閉鎖した。術後は血液透析を導入し,合併症なく経過し退院した。CAPD患者は腎予備能が低下しており,合併症が生じると重篤な結果に陥りやすい。術後合併症を避けるためにも嵌頓例の迅速な診断,早期の手術が重要であると考えられた。
- 日本腹部救急医学会の論文
著者
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狩俣 弘幸
琉球大学消化器・腫瘍外科
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佐辺 直也
琉球大学消化器・腫瘍外科
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白石 祐之
琉球大学消化器・腫瘍外科
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西巻 正
琉球大学消化器・腫瘍外科
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白石 祐之
琉球大学消化器・腫瘍外科学講座
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林 裕樹
琉球大学消化器・腫瘍外科学講座
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