価値共創概念の再考
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概要
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本稿の目的は,経営診断の領域でも近年注目されるようになってきた価値共創概念の概念的なレビューを通じて,価値共創に関する研究の現状を明らかにすることである。価値共創にかかわる既存研究をレビューした結果,価値共創として論じられているものには二つの価値共創概念(選択的価値共創と本質的価値共創)が混在していることが明らかとなった。また,価値共創過程における顧客の役割と学習の2点についてこれら二つの価値共創の特性をさらに掘り下げて検討した結果,本質的価値共創は,伝統的な企業と顧客の役割区分に縛られない新しい関係構図に基づいており,四つの側面をもつ複合的な学習過程として概念化することができるということが示された。最後に,本研究結果の経営診断上のインプリケーションが検討された。
- 日本経営診断学会の論文