顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーと診断されていたDOK7型筋無力症の1例
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概要
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症例は26歳の女性である.出生時に呼吸不全,筋力低下があり,5歳時,顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーと臨床診断されていた.歩行の可否などが週単位で変動した.12歳時,プロテカロール塩酸塩で変動が改善,内服を継続した.26歳時,当院受診.眼瞼下垂,顔面・体幹・四肢近位筋の筋力低下,易疲労性があり,血清CK正常,抗アセチルコリン受容体抗体と抗筋特異的チロシンキナーゼ抗体は陰性,僧帽筋の反復刺激試験でwaning現象をみとめた.DOK7遺伝子に新規変異をみとめ,先天性筋無力症候群と確定診断した.症状はアンベノニウム塩酸塩で悪化し,3,4-ジアミノピリジンで改善した.筋力低下の週から月単位の変動は診断に重要である.
著者
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村田 美穂
国立精神神経センター武蔵病院
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大野 欽司
名古屋大学大学院医学系研究科神経遺伝情報学
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大矢 寧
国立精神神経センター 武蔵病院 神経内科
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岡本 智子
国立精神神経医療研究センター病院神経内科
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中田 智彦
名古屋大学医学系研究科神経遺伝情報学
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西川 敦子
国立精神神経医療研究センター病院神経内科
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森 まどか
国立精神神経医療研究センター病院神経内科
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