ボルテゾミブが奏効した消化管出血を主症状とする全身性・原発性ALアミロイドーシス
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概要
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消化管出血症状が著明な全身性ALアミロイドーシスに対してボルテゾミブが著効した貴重な症例を報告する。83歳女性。食欲不振を主訴に受診し,上部消化管内視鏡検査で多発胃潰瘍と診断された。病理組織学的検査でALアミロイドの沈着が証明され,精査加療目的に入院した。皮膚生検でもアミロイドの沈着が証明され,またIgG-λ型Mタンパク血症を有し,全身性・原発性ALアミロイドーシスと診断された。心筋,膀胱,下部消化管へのアミロイドの沈着も疑われたが,止血困難な胃粘膜出血,皮下出血斑,血尿と出血症状が著しく,侵襲的な全身検索は施行できなかった。ボルテゾミブ・デキサメタゾンを用いた治療を開始し,全身の出血症状は軽快した。治療継続1年後には明らかな出血症状は認めないものの,病理組織学的検査で胃粘膜と皮下に依然としてアミロイドの沈着を認めた。
- 一般社団法人 日本血液学会の論文
著者
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平野 聡子
柏崎総合医療センター 薬剤部
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井田 桃里
柏崎総合医療センター 血液内科
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林 和直
柏崎総合医療センター 内科
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井田 徹
柏崎総合医療センター 内科
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中村 文枝
柏崎総合医療センター 看護部
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曽根 博仁
新潟大学大学院医歯学総合研究科 血液・内分泌・代謝内科学分野
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藤原 正博
柏崎総合医療センター 血液内科