後縦隔ミュラー管嚢胞の1例
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概要
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症例は51歳,女性.不正***出血を主訴に近医を受診した.CTで骨盤内腫瘍を指摘されたため当院産婦人科を紹介.その際,胸部CTで後縦隔腫瘍を指摘され当科へ紹介.骨盤内腫瘍は成熟奇形腫,後縦隔腫瘍は嚢胞性の良性腫瘍と診断し,同時に摘出術を行った.まず腹腔鏡下に両側付属器切除術を施行し,右半側臥位に体位変換,胸腔鏡下後縦隔腫瘍摘出術を行った.後縦隔腫瘍は薄い被膜に覆われた単房性嚢胞で,慎重に破らず摘出した.周囲との連続性は無かった.病理組織検査で,骨盤内腫瘍は成熟奇形腫瘍,後縦隔腫瘍は,腫瘍内腔は線毛円柱上皮で被覆され,免疫染色で被覆上皮はエストロゲンレセプター,プロゲステロンレセプター陽性でありミュラー管嚢胞と診断された.ミュラー管嚢胞は閉経前後の女性に認める縦隔嚢胞性疾患の新しいカテゴリーである.
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会の論文
著者
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杉尾 賢二
大分大学呼吸器外科
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宮脇 美千代
大分大学呼吸器・乳腺外科
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橋本 崇史
大分大学呼吸器・乳腺外科
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小副川 敦
大分大学呼吸器・乳腺外科
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内匠 陽平
大分大学呼吸器・乳腺外科
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末廣 修治
大分大学呼吸器・乳腺外科