消化器癌外来化学療法患者に対する栄養サポートの試みとその効果の検討
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概要
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【目的】消化器癌外来化学療法施行時に栄養サポートを導入し、悪性腫瘍の予後因子として着目されている好中球 /リンパ球比 (NLR) 、血小板 /リンパ球比 (PLR) 、modified Glasgow Prognostic Score (mGPS) 、小野寺の Prognostic Nutritional Index (PNI) を指標に栄養サポートの効果を検討した。【方法】対象は2012年3月から2013年2月までの消化器癌外来化学療法施行症例128例 (男85、女43) を、経時的に評価可能であったサポート群 (n=41) と非サポート群 (n=19) に分けて、栄養評価初回および4回目に、上記評価項目の推移を検討した。【結果】NLR・PLRが、サポート群で栄養サポート後に有意に低下すなわち改善を認め、非サポート群では、経過観察中に有意に増加すなわち悪化した。両群とも mGPS・PNIは、有意な変化を認めなかった。【結論】外来化学療法患者に栄養サポートを行うことで、悪性腫瘍の予後との関連が報告されているNLR・PLRの改善を認めたことから、栄養サポートが化学療法施行患者の治療成績向上に寄与する可能性が示唆された。
- 日本静脈経腸栄養学会の論文
著者
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伽羅谷 千加子
市立秋田総合病院栄養室
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柳田 仁子
市立秋田総合病院栄養室
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後藤 康晴
市立秋田総合病院 NST
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柴田 裕
秋田厚生医療センター 救急総合診療部
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斎藤 円
市立秋田総合病院 NST
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渡部 郁子
市立秋田総合病院 NST
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今野 正樹
市立秋田総合病院 NST
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三浦 岳史
市立秋田総合病院 NST
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