生後2ヶ月で発症した咽後膿瘍の1例
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概要
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小児の咽後膿瘍は 3 歳以下に見られることが多く,急激な増悪をきたし,重篤な病態に至ることがある。今回我々は一過性骨髄異型増殖症にて当院小児科で加療されていた生後 2 ヶ月の女児に発症した咽後膿瘍の 1 例を経験した。哺乳障害を主訴に当院小児科で点滴加療を受けるも軽快せず,喘鳴を伴う呼吸困難が出現してきたため当科を受診した。左咽頭後壁は腫脹し,頸部造影 CT で咽後間隙に膿瘍形成を認めた。咽後膿瘍と診断し全身麻酔下に経口法で咽後膿瘍切開術を施行し,膿汁からは MRSA が検出された。膿瘍の再燃のため開窓術を施行した。その後経過は良好で再発は認めなかった。尚,一過性骨髄異型増殖症は自然軽快することが多く,咽後膿瘍との因果関係は不明であった。
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Japan Society for Pediatric Otorhinolaryngology | 論文
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