乳幼児の呼吸障害に対する対応—3 歳未満の睡眠時無呼吸症候群に対する手術療法の手技と術後管理,周辺疾患との関連まで—
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概要
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小児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群は,アデノイド増殖,口蓋扁桃肥大が原因であることが多く,手術治療が奏功する。しかしアデノイド切除,口蓋扁桃摘出術は,3 歳未満の低年齢では,合併症の頻度が増加することが知られている。また,低年齢の乳幼児の呼吸障害では,喉頭軟化症,気管軟化症など様々な重複奇形の存在により修飾されることがある。本稿では,乳児期によく見られ,喘鳴を伴い,閉塞性睡眠時無呼吸と合併することのある喉頭軟弱症について当院の症例を用いて概説する。ついで当科で扁桃,アデノイド手術を行った 3 歳以下の症例について,手術とその手技,術後合併症について検討した。39例の分析で9.3%に術後合併症を認めた。低年齢児の睡眠時無呼吸症候群を取り扱う場合,病態の的確な理解と慎重な診断,手術に当たっては術後管理体制の構築が重要である。特に,麻酔科,小児外科との連携の重要性は強調しておきたい。
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Japan Society for Pediatric Otorhinolaryngology | 論文
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