小児の気道に関する諸問題—特に喘鳴について—
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
小児耳鼻咽喉科領域で特に小児耳鼻咽喉科医を悩ませるのが気道の問題である。緊急を要する重篤な病態から,経過観察で事なきを得るものまで緊急度や重症度はさまざまである。気道関係に問題を抱えた児のなかで,喘鳴は最も多い主訴のひとつである。小児専門病院では,喘鳴を主訴に受診する児の48%が生後半年以内の受診であり,呼吸障害や体重増加不良を来している例も多数含まれる。喘鳴を生じる疾患には先天性疾患と後天性疾患がある。前者では喉頭軟弱症(喉頭脆弱症)が最も多く,舌根部囊胞などの局所疾患を伴っていることもある。喘鳴は成長に伴い改善することが多いが,一次的に気管切開が必要な例もある。後天性では腫瘍,炎症・感染,異物などが喘鳴の原因疾患となる。生来健康であった児に,急激に喘鳴が生じた場合にはそれらを念頭に置いた診療アプローチが重要である。具体例として歯ブラシのヘッドが折れて咽頭後壁に 2 カ月にわたり介在した例を挙げた。
- Japan Society for Pediatric Otorhinolaryngologyの論文
Japan Society for Pediatric Otorhinolaryngology | 論文
- 血球貪食症候群(HPS) : とくにウイルス関連血球貪食症候群(VAHS)について
- 神経(筋)疾患児(主に重度神経障害児)における閉塞型睡眠時無呼吸発作を含む上気道閉塞性換気障害の診断と治療法の検討:その2:Nasal Airwayによる上気道閉塞性換気障害治療の有効性について
- 神経(筋)疾患児(主に重症心身障害児)における閉塞型睡眠時無呼吸発作を含む上気道閉塞性換気障害の診断と治療法の検討:その1 気道透視による診断と病態の検討
- 小児顔面神経麻痺症例の臨床的検討:乳幼児, 学童別の検討
- 顔面表情運動の定量的検討:小児と成人における比較検討