療育法・教育法別により聴覚障害児の言語発達にどのようなちがいがもたらされるのか?
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概要
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平成19年度から23年度までの 5 年間行われた,感覚障害戦略研究(聴覚障害児の療育等により言語能力等の発達を確保する手法の研究)の症例対照研究対象者のうち,その難聴児が所属していた,あるいは所属している療育・教育施設の指導方針を聴取しえたのが268名であった。これをコミュニケーション手段として音声言語のみを用いている聴覚群と,音声言語に手話などの視覚的手段も用いている併用群に分け,言語評価結果を比較した。その結果,基本語彙・統語・コミュニケーション言語では両群に差が無かったにも関わらず,抽象語彙と学力すなわち学習により身につける言語では聴覚群が良好であった。これは,併用群では要素的な言語力の多くは聴覚群と同じように獲得されるが,その後の教育や学習によって習得されるものに聴覚群との差がみられたことを示している。聴覚に視覚的手段を併用して日本語の発達を促す教育法に,さらなる方略の必要性が示唆されたと言える。
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Japan Society for Pediatric Otorhinolaryngology | 論文
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