小児難治症状への対応—摂食・嚥下障害について—
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概要
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子どもの難治性の摂食・嚥下障害に対する対応について,我々が経験した症例を呈示する。哺乳障害では,嚥下造影検査(VF)と喉頭ファイバー検査にて喉頭防御機能に障害あるが嚥下機能は正常と判断し,哺乳を中止して離乳食による摂食訓練によりストロー飲みが可能になった。キアリII型奇形の 3 症例では,VF により嚥下障害の病態の違いを示した。痙攣発作が増え嚥下機能が悪化した症例では,抗痙攣剤の変更により嚥下機能が改善し経口摂取可能となった。著明な不随運動による摂食・嚥下障害症例では,VF で食物の口腔内保持機能が良好と確認され,不随運動を減らす環境作りにより,経口摂取可能と判断した。進行性疾患の嚥下障害症例でも,摂食条件を具体的に示すことにより摂食の可能性を示した。重要なことは,事前の詳細な情報収集より的確な VF 評価を行い適切な医学的介入をすることである。
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Japan Society for Pediatric Otorhinolaryngology | 論文
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