2-(アリルチオ)-3-メチルシクロヘキセン-1-オン類の固相光反応におけるステレオスイッチング
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概要
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2-(アリルチオ)-3-メチルシクロヘキセン-1-オン類の結晶に光照射すると閉環体が生成する。閉環体にはシス型とトランス型の二種類の立体異性体が存在し、その生成比は出発物質のアリール基上の置換基に依存することが当研究室の先行研究で示唆されていた。今回、詳細に検討した結果、臭素置換体ではシス型が、メチル置換体ではトランス体がそれぞれ立体選択的に、塩素置換体ではシス型とトランス型がほぼ同じ生成比で得られた。この立体選択性は反応条件に依存し、たとえば、臭素もしくは塩素置換体の場合、低温で光照射を行うとトランス体が立体選択的に得られた。この結果は、温度により光反応生成物の立体構造を制御できることを示すものである。
- 基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)の論文
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会) | 論文
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