室温以下でカラムナー液晶相を示すヘキサベンゾコロネン誘導体の設計とその光電導挙動
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概要
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電子・光電子機能を有する有機材料の開発において、パイ共役系分子からなるナノスケールの分子組織体が近年注目を集めている。特に、トリフェニレンやヘキサベンゾコロネンに代表される広いパイ共役系を有するディスク状分子は高いキャリア移動度を示すことで興味深い。また、これらの分子群にアルキル鎖を導入した場合、一次元に配列してカラムナー液晶が形成され、この液晶相においても高い移動度が観測されている。しかしながら、通常の拡張したパイ共役系分子からなるカラムナー液晶は、強いパイスタッキング相互作用のため、100 ℃以上の高温領域でしか液晶相を発現せず、これは材料として用いる際の課題である。これまで、分岐側鎖の導入や分子の非対称化という手法を用いた相転移温度の低下が数多く報告されている。一方、我々はアルキル鎖末端に結晶性の低いイミダゾリウム塩を導入するという新たな手法を提案した1)。本研究では新たな手法として、柔らかいオキシエチレン鎖をディスク状分子の周りに導入した分子群を設計し、そのカラムナー液晶相の形成と相転移挙動を検討した。
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基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会) | 論文
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