小型ドップラーライダー観測に基づく東京上空の風の鉛直分布特性
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概要
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ビル風などの屋外風環境評価における適切な基準風の設定や高所施工現場の作業性に関わる日常的な風の評価に適用するため、小型のドップラーライダーによる風観測をおこなった。東京都区部東部および郊外市部での小型ドップラーライダー観測の結果から、上空での風速の鉛直分布の特徴について考察した。都市部だけでなく郊外の観測結果からも地上高度による平均風速の日変化の違いが確認された。 また、平均風速の鉛直分布形は、概ねべき法則近似と良好な一致を示し、ばらつきは大きいものの、風速が大きくなると一定の値に収束する傾向が見られた。一方で、べき指数は時刻に依存し、指数が小さなる、すなわち上下方向の風速勾配が少なくなる午後の時間帯は、地上の日最大風速が発生しやすい時間と一致した。上空での作業可能時間の推定や、風環境評価のような統計的な評価をする上では日最大風速が発生する時間を考慮した風速分布を仮定したほうがより現実的な評価ができる可能性がある。
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一般社団法人 日本風工学会 | 論文
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