都市街区内の非等温流れ場における汚染物質拡散・熱拡散に関する風洞実験とLES

概要

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本研究は、都市街区内の弱風領域における非等温流れ場のLarge Eddy Simulation（LES）の予測精度検証を目的とした汚染物質拡散・熱拡散に関する風洞実験および数値解析についてまとめたものである。非等温流れ場にLESを用いる場合、流入境界面で時々刻々の風速変動のみならず温度変動も与える必要がある。そこで本研究では、事前に流入変動風そのものを流体計算で求める方法として2種類の手法を用いて不安定乱流境界層を生成した。両手法ともに、実験結果とよく対応する風速と温度の乱れを生成できることを確認した。次に都市街区内の汚染物質拡散・熱拡散を対象として、LESとRANSモデルによる数値解析ならびに風洞実験を実施した。LESでは生成した変動風を流入境界条件として与えた。その結果、LESは街区内の(特に人間にとって重要な地表付近での)汚染物質濃度や気温をRANSモデルに比べ格段に精度よく予測できることや、街区内の濃度変動もかなり正しく再現できることが明らかとなった。
一般社団法人日本風工学会の論文