送電線吊架ジャンパ装置と塔体との動的相互作用についての一考察:-電線路直角方向振動に着目して-
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概要
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送電用耐張型鉄塔の電力線を連結するためのジャンパ線は強風下において大揺動を生じ,短絡事故の一因となっている。現在,その揺動対策として吊架ジャンパ装置が適用されているが,静的荷重及び電線との共振の検討がなされているものの吊架ジャンパ装置自体の振動特性やその振動が鉄塔塔体や腕金あるいは各個材に与える付加的な影響については殆ど検証されていない。よって本論では,実機を用いた振動試験結果及び台風T0705通過時の強風下における吊架ジャンパ装置の挙動および塔体との相互作用に関する観測例を報告する。振動試験結果から吊架ジャンパ装置加振時は塔体も振動が励起される現象が見られた。また,塔体加振時は吊架ジャンパ装置が塔体振動に従属して振動することが分かり,加振点により両者間の相互作用は異なることが分かった。T0705通過時の観測結果から吊架ジャンパ装置は塔体振動に従属して振動し,他の鉄塔で見られた吊架ジャンパ装置の固有振動や腕金振動の影響は見られなかった。
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一般社団法人 日本風工学会 | 論文
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