強風時の木造層塔建築物の応答性状について
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概要
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木造層塔建築物の風による応答を,法隆寺五重塔の1/40モデルによる風洞実験によって研究した。実験に用いた模型は,市販の詳細模型を,五重塔の復元力特性を含めた構造特性を模擬し,風洞実験の相似則を満足するように,改造したものある。静的載荷実験の結果,改造した模型は既存の木造建築物の実測等による構造特性をある程度模擬できていることがわかった。風洞実験の結果,風方向の応答変位は,ある限界風速を超えると,平均変位,変動変位とも,風速とともに大きく増大することが明らかとなった。この急速な変形の増大は,模型の剛性が低下することが原因である。限界風速を超えた場合,塔は時折襲うゆっくりとした突風に伴って,風方向に大きくゆっくりと振動する。この振動特性は,ウエーブレット解析によって,適切に評価することができる。以上に加えて,風方向の応答の方が,風直角方向の応答よりもかなり大きいことも明らかになった。
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一般社団法人 日本風工学会 | 論文
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