新しい市街地気流解析モデルの提案とその検証
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概要
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構造物を設計する際に,風荷重の正確な評価が安全性の観点から極めて重要である.その基礎となる気象観測所の観測データは周辺地形・環境・建物など局所的な要因の影響を強く受けており設計風速に使用する際にはこれらの影響を考慮する必要がある.本研究では局所的な建物の影響を考慮した気流解析が可能な新しい市街地気流解析モデルを提案しその有効性を示した.まず植生,都市キャノピーを問わず適応可能なキャノピーモデルを多孔質媒体理論に基づき提案した.次に充填率の異なる2ケースを解析し観測値と比較し,十分な精度で予測可能であることを示した.最後に宮古島地方気象台で得られた台風14号通過時の風観測データを基に数値解析によって近傍建物の影響を考慮に入れた上で気象台北方に位置する風観測点での風向・風速の評価を行った.その結果,平均誤差0.34m/s,標準誤差2.57m/sの精度で予測可能であることを示し,近傍建物の影響を考慮に入れた本研究の風向・風速評価手法の有効性を示した.
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一般社団法人 日本風工学会 | 論文
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