ガストフロントに伴う突風の成因
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概要
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2004年7月11日に横浜で発生した積乱雲は強い下降流(ダウンバースト)を伴い,地上発散風(アウトフロー)はガストフロントを形成した。このガストフロントを,ドップラーレーダー,ドップラーソーダ,ウェザーステーション,ビデオカメラ等を用いて観測し,ガストフロントに伴う突風の構造を明らかにした。地上の突風(ガスト)はガストフロントの先端から約2分,水平距離約1.5km後方で発生した。2回目のガストは1回目のガストから約5km後方で発生した。ドップラーソーダで観測された上空の強風域は約2分間高度30mから500mの全層で卓越し,その中で25m/sを越える強風コアが存在していた。この強風コアは時間とともに降下し,地上のガストは強風コアと時間的に対応していた。ガストフロントの鉛直循環"head"は水平スケール5km,鉛直スケール500mを有し,5m/sを越える上昇流と下降流が存在した。上空の強風域および地上のガストはこの鉛直循環の前面に位置しており,2回のガストは連続して形成された2個の鉛直循環に伴って発生した。
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一般社団法人 日本風工学会 | 論文
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