溶融飛灰中レアメタル類の資源的価値
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概要
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近年、レアメタル(希少金属)は、電子情報技術産業などの日本経済を支えているハイテク分野の産業に幅広く使用され、その需要量は増加し、より安定供給が重要となっている。しかし、レアメタルの多くは海外の資源に依存し、その供給は中国などの資源国の政策により影響を受けやすい状況である。最近、安定供給対策の一つのオプションとして、最終製品又は廃棄物からの回収、すなわち、「都市鉱山」が注目されている。本研究では、廃棄物を溶融処理する際に発生する溶融飛灰に着目し、従来対象となっていたZn、Pb、 Cu以外に、より微量でも価値があるレアメタルの資源化に関して検討を行う。一般的に溶融飛灰は溶融炉、被溶融物、運転条件などの違いにより、含有成分が大きなばらつきがある。そこで、本調査では現在稼動している様々な溶融施設から溶融飛灰を採取・分析し、レアメタル含有量データの蓄積によって、その資源的価値を評価した。その結果、(1)溶融飛灰中Ag、In、Pd含有量は鉱石(粗鉱)品位と同程度かそれ以であること、(2)Pd、Ga、Geは日本需要量の3~7%を占めていることがわかった。しかし、溶融飛灰中にはClなど塩類の含有量が高く、そのままでは直接非鉄製錬所の原料にはならないため、対象メタルの濃縮及び塩類の除去などの前処理が必要となる。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
一般社団法人 廃棄物資源循環学会 | 論文
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