水素・メタン二段発酵法による食堂残飯と紙ごみの処理性能解析
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概要
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食堂残飯とシュレッダー紙の実廃棄物を用いて、水素・メタン二段発酵での処理性能を解析した。(1)汚泥返送法によるHRT2.7日の可溶化・水素発酵運転ではバイオガス発生量15-20L/日、水素ガス含有率1.7-20%であった。可溶化・水素発酵液のHRT8.0日のメタン発酵処理では、バイオガス発生量50-80L/日、メタンガス含有率65%であった。(2)可溶化・水素発酵槽での水素ガス発生率は、VS基準で最大0.04L/gVS、全糖量基準では最大0.08L/g全糖(1.7mol-H2/mol-全糖)であった。主な生成有機酸は酢酸とn-酪酸であり、有機酸/溶解性CODCr比0.42に上昇し、可溶化・水素発酵反応で有機酸生成が進行した。(3)水素・メタン二段発酵運転時のVSS収支解析より、可溶化・水素発酵槽では33%が分解され、二段発酵全体ではVSS分解率83%であった。(4)可溶化・水素発酵槽では全糖量分解率60%、タンパク質分解率24%、総脂質分解率20%であり、主に糖質系の分解が進行した。メタン発酵槽を含めた二段発酵全体では、VS分解率86%、CODCr分解率83%、全糖量分解率94%、タンパク質分解率65%、総脂質分解率90%であった。(5)汚泥返送型の水素・メタン二段発酵で、食堂残飯+シュレッダー紙を有機物分解率80%以上で安定に連続処理された。
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