農業利用の観点からみた堆肥及び液肥の需給バランス試算―長崎県を事例として―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
有機性廃棄物の循環的利用法として、堆肥化に加えて好気的発酵やメタン発酵による液肥化が普及し始めている。堆肥が緩効性であるのに対し、液肥は速効性かつ比較的高い肥効を示すため、実際の農業利用においては堆肥と液肥を組み合わせて利用することが有用と考えられる。本研究では、有機性廃棄物由来の堆肥が優先して用いられるシナリオをベースに、液肥を窒素肥料として施用することを想定し、長崎県における需給バランスを試算した。廃棄物を全量堆肥化あるいは液肥化した場合は、いずれも供給が需要を大きく上回る結果となるが、堆肥の基準施用量を満たし、かつ窒素肥料として液肥を散布する新シナリオにおいては、一部地域を除いては発生する廃棄物の全量を農地還元できる結果となった。このことから、有機性廃棄物の農地還元にあたっては、堆肥と液肥を組み合わせて用いることでその利用率を向上させることができることが示唆された。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
一般社団法人 廃棄物資源循環学会 | 論文
- 最終処分場におけるコロイド溶液を用いた自己修復型ライナーシステムに関する実験的検討
- LCA手法による家庭系生ごみ処理の地域システム評価 : コンポストの普及率等の実際的条件を考慮した分析
- 厨芥を対象とした水蒸気ガス化に関する基礎的研究
- 生ごみバイオガス化施設におけるメタン回収量, 環境保全性, 経済性の検討
- アンケート調査による北海道における牛ふん尿の自動撹拌式堆肥化施設とバイオガス化施設の設置効果の解析